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相撲茶屋 琴岩国 店主 藤本武志さん【2018年4月】
夕暮れ時、遊具で遊ぶ子供達やベンチに座り話している学生。様々な人が集う麻里布第三街区公園そばのお店で、わきあいあいと大勢でいただくちゃんこ鍋。重厚な雰囲気で迫力ある勝負の世界から一転し、この店を開業した佐渡ケ嶽部屋所属の元大相撲力士『琴岩国』こと同店主にお話を伺った。
店主 藤本武志さん
中学時代は柔道をやっていました。大人しい性格だったと思いますが、体格のデカさでいつも目立ってしまっていました（笑）。中学3年の冬頃スカウトから声がかかり、卒業式を待たずに場所が開催されていた大阪へ。千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋の門を叩くことになりました。新人時代は、部屋の力士の人数が多いため早朝から稽古をしなければならず、毎日朝3時に起床。「逃げ出したい」と思うほど厳しい日々でしたが、稽古と食事当番など忙しい相撲部屋での生活で逃げ出すヒマすらない程…。同期は12人いましたが半年後には半分に…。少しの時間でも『寝る』ことを優先してしまい、毎日が過ぎていきました。
関取になった時に、師匠が岩国の方に声をかけてくださり、後援会が設立されました。化粧まわしの寄与や祝賀会など、節目節目で地元の方に支えていただき、充実した相撲人生を過ごせました。
新人の時は、野菜を切ったり団子を捏ねたりの繰り返し。ちゃんこ鍋の味付けを初めて任されたのは5年目でした。作り方は部屋によって違いますが、レシピはありません。先輩の味を見様見真似で作る日々。うまく作れない時は、美味しく作れるまで毎日食事当番が続きます…。稽古の後の一日で最初の食事なのでプレッシャーもあり、料理の腕も上がった気がします。引退してから、大阪や東京の先輩力士のお店で数年働いた後に帰郷しました。今まで応援していただいた地元の方にぜひ相撲部屋の味を味わっていただきたいという気持ちでいたところ、ご縁も重なりお店を出すことになりました。
大きな体格ながら、滑らかな包丁さばきの店主。
店内には現役時代の化粧まわし、関取の写真やサインなど相撲ファンにはたまらないグッズがたくさん！
ちゃんこ鍋はみんなでワイワイ食べてお腹いっぱいになれるので、やっぱり団体さんがメインですね！後は、現役当時お世話になった方が、お店に顔を出してくださったり。「現役時代見てました！」「中学校の後輩です。」などと当時を懐かしく語ってくださるお客様も多いです。
力士が食べるちゃんこ鍋と比べちょっとアレンジをしています。力士は稽古の後、汗をかいている時にちゃんこを食べるので、かなり濃い味付けになっていますが、店ではマイルドに調整しています。本来のちゃんこには、牛や豚は手を付いているので、負けを連想させるため縁起を担いで入れず鶏肉のみを使用していますが、当店では出汁に鶏ガラ、具材に豚バラ肉も入れています。相撲界の伝統やしきたりを尊重しつつ、みなさんに美味しく食べていただけるように作っています♪
彩り良く鉢に盛られた具材。その大きさに目を見張る。
ちゃんこだけでなく、居酒屋メニューも充実。
夏期にはジンギスカンがオススメ！
店内には、関取のサインや写真、番付表、現役時代の化粧まわしなど相撲グッズがたくさん！お店が落ち着いている時間は、実際に化粧まわしを付けてみたり、着物を羽織ってみたりすることもOKなので、相撲ファンは必見です！！料理はちゃんこ鍋だけでなく、力士みそ等を使った相撲料理、お酒の進む居酒屋メニューもたくさんあります。
ちゃんこ鍋＝冬というイメージがあるのか、夏場はお客さんが少ないですが、夏限定のメニューもあります！冷やしちゃんこは要予約ですがさっぱり食べられるので暑い時期にオススメ！エアコンと冷やしちゃんこで身体が冷えてきたらそのまま温めて、〆のうどんやご飯を投入し本来の味も楽しめる、二度おいしいメニューです。ジンギスカンは、ちゃんこ鍋と同じく野菜がたっぷり食べられるので、女性やご家族に喜ばれています。どの季節でも気軽に食事が楽しめるお店として、ご利用お待ちしています！
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